Dr. 千鳥橋伝法の事件簿

Dr. 千鳥橋伝法(どくたー・ちどりばし・でんぽう)は医師ではない。森羅万象、細かいことがイチイチ気になって仕方がない法律専門職のおっさんである。

整理すんのかい・せんのかい

 放置アカはサーバ資源のムダづかい。悪用されることもあろうし、ログインすらしてないとゆーのであれば、まぁ、提供されているサービスに対して利用料金を支払っているわけでもないわけやし、サービス提供側としては管理に一定のコストもかかるわけやし、整理されても文句いえるような筋合いではない。

ITmedia NEWS (2019年11月27日 09時27分)
Twitter、休眠アカウント削除へ 対象アカウントに12月11日までにログインするよう警告
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/27/news069.html

 などと他人ごとで感慨にふけっていると、一転、「Twitter、休眠アカ整理すんのやめるってよ」とゆー報道。

ITmedia NEWS (2019年11月28日 06時10分)
Twitter、「亡くなった人のアカウントを保護する機能を追加するまで休眠アカウントは削除しない」とツイート
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/28/news058.html

 まぁ、どちでもエエけど、Twitterは個人的にとても重要なサービスなので安定してサービス提供を継続していただきたいと願う。

 あんまり一般的には知られてないかも知れんけど、わが国の重要な公器である「会社」も休眠状態で放置プレイをかますなどしていると、法務局の整理作業の流れに入れこまれてしまう。諸行は無常でありますな。平成30年の同作業では24,720の株式会社が「解散したものとみなされる」措置をとられたようだ。

法務省
休眠会社・休眠一般法人の整理作業について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00082.html

 会社は、動いていようが動いていまいが存在する以上は法の建前とすれば「法人住民税」を支払わなければならないはず。が、実務では地方税務当局に対して「うちの会社は動いてませんのよ」という趣旨の届出を出して「はい、了解」となれば事実上課税されなくなる。経営実態がなくなって会社の財産も散逸してしまっているような登記だけ残っている会社に対する徴税事務に、ムダに人的資源を充ててムダに人件費使うよりはスカッと徴税の対象から外してしまう方が効率的であるということなのかな(税には疎いので詳細不知)。

 もっとも、このような制度を利用して納税を免れてウカウカしていると、別の手続で思わぬ不利益を被ることもある。新しい会社をつくるのはとても簡単なので、既存の会社が動いてない・動かす予定がないのならとっとと解散・清算の手続をしてしまうのがよろしい。なお、解散・清算の手続は割と複雑で結構お金がかかるんやな、これが(^_^;