Dr. 千鳥橋伝法の事件簿

Dr. 千鳥橋伝法(どくたー・ちどりばし・でんぽう)は医師ではない。森羅万象、細かいことがイチイチ気になって仕方がない法律専門職のおっさんである。

キツネかタヌキか

 昼飯を食べている余裕がなくて移動中に「立ち食いそば」を利用することが多い。で、近年、神戸市内でお品書きに「きつねそば」とゆーのを目にする機会が多くなってきたように思い、深刻な事態をたいへん憂慮しているところである。

 当職は、ただ、普通に「たぬき」が食いたいだけである。ところが、お品書きをみても、どーも「たぬき」的なものが他に見当たらないので、おそるおそる、

あのぉ、この「きつねそば」って、もしかして、「たぬき」?

と店の者に尋ねると

はい、「たぬき」ですぅ~

って、これは衝撃的である。キツネとタヌキ、全然違う動物やん! 「たぬき」やったら「たぬき」って書いとけよっ(-_-;

 さらに事情を聞いてみると、関東方面では「たぬき」のことを「きつねそば」と呼ぶとのこと・・・えっ、だから何で俺たちの「たぬき」が勝手に「きつねそば」にされてまうんやっ、まったく意味不明、何考えとんねんっ!

 なお、細かいことだが、関西では「きつね」を「きつねうどん」ともゆーが、一方の「たぬき」は「たぬき」であって「たぬきそば」とはあんまりいわんよーに思う。もっとも、「たぬきそば」と表記されても大目にみるくらいの余裕はあるで。

 まぁ、その辺はどうでもよいのだが、先日などは大手の割と有名店のそば屋(立ち食いではなく座って食うそば屋)に入ったところ、お品書きには平然と「きつねそば」と表記されていて、悲しく、いやむしろ、食文化に対するエエ加減な経営姿勢を腹立たしくさえ思ったわけだ。新しく訪れたそば屋でお品書きに「きつねそば」と書いてある場合に都度都度に「これって『たぬき』?」と確認せにゃならんのか、当職はただ単にスッと「たぬき」を注文してサッと「たぬき」を食いたいだけなのである。関東でタヌキが天かすだろうが、ムジナが何だろうが、んなこと俺たちは知ったことではない。名称とゆーのはとても大事だ。「事実の錯誤」に関する判例としてよく引用される「たぬき・むじな事件(大判大正14年06月09日刑集4巻378頁)とゆー有名な事件がある。関西では、歴史的に「たぬき」は「たぬき」であって決して「きつねそば」ではない。こーゆーずぼらな言葉づかいは、そのうちに「きつね」か「たぬき」かでもめて猟銃をブッ放すような殺人事件を引き起こす可能性がある(ないか?)。

 なお、関西において「関東煮(かんとだき)」のことを「おでん」とゆー風潮になっているのだが、これもどうにかしてほしい。「おでん」って「でんがく」のことやん。いつから「関東煮」のことを「おでん」とゆーよーなアホなことになってしまったのか・・・たぶん、マスゴミの影響だろうとは思うが、ったく、関西も民度が低くなってしまったものであるな。実に嘆かわしい(-_-;