Dr. 千鳥橋伝法の事件簿

Dr. 千鳥橋伝法(どくたー・ちどりばし・でんぽう)は医師ではない。森羅万象、細かいことがイチイチ気になって仕方がない法律専門職のおっさんである。

抵抗権の高とび

 刑事被告人たるフェニキア商人の末裔的おじさんが保釈条件をブッ飛ばして金にものをいわせて国外へ逃亡した。

 憲法の先生にうかがうと「国家権力が不当に個人の尊厳を侵すときはこれに抵抗し逃れる権利があります」とのことだそうで、まぁ、「日本国憲法、万歳」としかいえんわね(^_^; もともと「労働者の敵」という印象が強いおじさんであるし、おじさんの高とびはわが国の法秩序への挑戦ひいては日本国民に対する侮辱であり、まったくもって許すことができない思いである。擁護から非難までいろいろなコメントがあるが「今はエエけど、そのうちに身ぐるみはがされて野垂れ死にするんちゃう?」というのがあって「なるほど」と思った。因果応報とゆーやつでありますな。

 おじさんはクソカスにコキおろしていたが、個人的には、わが国の司法は高い独立性を有し公平で精度が高いと思う。もっとも、刑事司法における人権保障の機能はものすごくアレで「先進国レベル」からはかけ離れているらしい(実際どうなのかは不知)、人質司法などと評されてもいる。事実、無辜の知人が捜査機関の無茶によってとても気の毒な目にあわされたのを目の当たりにしたことがある。だから、人権保障の機能がだいぶアレだとゆうのはまちがいなさそうに思う。この際、見直しの機運と捉えて運用面の手直しとかすぐにできるとこで何かするべきだろう。実務で運用の見直しをすることができないのなら、ローメイカーが腹をくくって大規模な法改正に取り組むべきであると思う。

 ところで、外国人は、本邦から出国するときには出国審査で入国審査官から出国確認を受けなければならない。スパイ映画みたいに荷物に紛れるなどして出国するのは犯罪である。

入管法 抜粋
(出国の手続)
第二十五条 本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする外国人(乗員を除く。次条において同じ。)は、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならない。
2 前項の外国人は、出国の確認を受けなければ出国してはならない。
第七十一条 第二十五条第二項又は第六十条第二項の規定に違反して出国し、又は出国することを企てた者は、一年以下の懲役若しくは禁錮 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮 及び罰金を併科する。

 あと、「コラ、入管。何やっとんじゃ」みたいな批判が割と多かったと思う。フェイク・ニュース垂れ流し系大手メディアでも「こじつけ」としか思えないような入管批判の論調がみられたが、おじさんのケースで入管に何ができたとゆうのかな。何でもかんでも入管の責任にするのはひどいと思うぞ。

 この点、関空の保安検査が「ガバガバ」であったことはほぼ間違いなだろう。これは何とかせんといかん。ちなみに、保安検査は入管の仕事ではない。よって、本件において「コラ、入管」は魚屋に向かいの八百屋の大根がまずいと文句をつけるようなもんである。だいぶ恥ずかしいわな。